「友達より俺のほうが大事だろ」と送った彼の、大事にされなかった週末

コラム

返信が届いたのは、荷物をすべて運び終えたあと。私はその画面を、隣の友人には見せませんでした。

スマホの通知音で目を覚ましました。画面に並んでいたのは、彼から続けて届いた2通のメッセージです。1通目を読み終えたところで、私は布団から出て、出かける支度を始めました。

用意していた軍手を鞄に入れながら

彼とは付き合って1年になります。その週末は、友人の引っ越しを手伝う約束が先に入っていました。彼にも先週からそう伝えてあり、返ってきたのは短い了解の言葉でした。

届いていた1通目は、

「今日、やっぱり無理?」

でした。

そのすぐ下に、2通目が続いていました。

「友達より俺のほうが大事だろ」

私は画面を上下に何度か動かしました。前後を読み返しても、予定を変えてほしい理由は書かれていません。

「引っ越しの手伝い、先週から言ってたよね」

そう返して、用意していた軍手を鞄に入れました。

既読はすぐにつきましたが、返信はありませんでした。

既読のまま止まっていた画面

友人の新しい部屋は、段ボールの山と、まだカーテンのない窓だけの空間でした。私は本棚の組み立てを引き受け、ネジを数えている合間に何度かスマホを確かめました。

1度目は棚板を運んでいる途中。2度目は友人が買ってきてくれた飲み物を受け取ったときです。

どちらも、私の送った文面に既読がついたまま、その下には何も届いていませんでした。

今頃、彼は何をしているのだろう。予定を変えてほしいなら、どうして最初からそう言わなかったのだろう。

「終わったら連絡する」

それだけ送って、私はスマホを段ボールの上に伏せました。

友人は「彼、なんか言ってた?」と聞きましたが、私は首を横に振って棚板を持ち上げました。

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