「友達より俺のほうが大事だろ」と送った彼の、大事にされなかった週末

コラム

荷物を運び終えたあとに届いた1文

最後の段ボールを運び終え、友人と2人で床に座ったところで、伏せたままのスマホが光りました。

「ごめん、今のは忘れて」

届いたのは、それだけでした。

何を忘れてほしいのか。「友達より俺のほうが大事だろ」という言葉なのか、それを送ったこと自体なのか、文面からはわかりません。

私はその画面を、隣にいる友人には見せませんでした。

帰りの電車で、返事を打ちました。

「忘れないよ。でも、ちゃんと話は聞く」

送信すると、既読はすぐにつきました。

返信は、その日のうちには届きませんでした。

そして...

翌日の昼前、彼から少し長い文章が届きました。

「昨日は、急にひとりになったのが嫌であんな言い方した。会いたいって言えばよかったのに、友達と俺を比べさせるようなこと言ってごめん」

どうして急にひとりになったのかは、書かれていませんでした。

私はそこを聞き返しませんでした。

大事なのは、彼に何があったかより、私に予定を変えさせるために「どっちが大事か」を持ち出したことだと思ったからです。

少し考えてから返しました。

「次からは、会いたいならそう言って」

返ってきたのは、

「わかった」

でした。

あれからも、彼から週末の誘いは届きます。

断ると、少し間が空くこともあります。それでも、「俺よりそっち?」という言葉は送られてきていません。

私はそのたび、まだ組み立て途中だった友人の本棚と、段ボールの上で既読のまま止まっていた画面を思い出します。

(20代女性・事務職)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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