3年間「太った?」と聞き続けた彼。やめてと頼んだ日、体重計に乗ったのは私ではなかった

コラム

やめてほしいと伝えた日

その日は、いつものように笑って流す気になれませんでした。ハンガーを持ったまま、彼のほうへ向き直りました。

「毎回それ言うの、やめてほしい」

彼の顔から笑みが消え、部屋にはエアコンの音だけが残りました。何か言い返されるのだと思っていたのに、彼は黙って洗面所へ。戻ってきた彼の手には、洗面台の下にしまってあった体重計がありました。

床に置かれたそれを見て、量れと言われるのだと身構えました。けれど、その上に乗ったのは彼のほうでした。

そして...

表示された数字を指さして、彼は言いました。

「俺、3年で6キロ増えた」

「それ、私に関係ある?」

気づけば、そう返していました。彼は体重計から降りて、「幸せ太りなんだよ」とだけ付け足しました。

何の話をされているのか、つかめませんでした。3年間聞かされてきた言葉の答えが、どうして彼の体重なのか。謝ってほしかった私の前に置かれたのは、知らない数字だけでした。

ハンガーからコートを外して、いつもより早く部屋を出ました。駅までの道で思い出していたのは、チーズケーキの皿を押してくるときの彼の顔です。「太った?」と聞くとき、彼は私の何を見ていたのでしょうか。

(20代女性・事務職)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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