「着いたら教えて」に変わった彼女の言葉→3年後、俺が初めて送った「今どこ?」

コラム

打っては消した返信

その日、店で待っていた俺に届いたのが、「電車止まっちゃった。ちょっと遅れるかも、ごめんね」というメッセージです。すぐに既読にして運行情報を調べると、再開の見込みはまだ出ていませんでした。

「大丈夫?」と打って消し、「何線?」と打って消しました。彼女がどこにいて、どこへ行けば会えるのか。知りたいのはそれだけです。

気づけば「今どこ?」と打って、そのまま送っていました。

送信済みの吹き出しを見て、ようやく分かりました。あの言葉は、営業所への報告とは違う、会いに行くための質問にもなるのだと。

「乗り換えの駅。北口のベンチ」と返ってきて、「そっち行く。待ってて」と打ちながら、店員さんに頭を下げて店を出ました。

そして...

乗り換えの駅までは、歩いて20分ほどの距離でした。北口の階段を駆け上がると、ベンチの彼女がハンカチを握ったまま顔を上げました。

「重いなんて言って、ごめん」

営業所のことも、どうして今日あの言葉を送ったのかも、その場では話さないままでした。隣に座ると、彼女は黙って俺の袖をつかみました。

今は、必要なときには俺から「今どこ?」と送ることがあります。彼女からの「今どこ?」は、まだ一度も届いていません。

(20代男性・会社員)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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