
「戻ってやってもいい」と送った元カレが、ジュエリー店で撮った私の左手を見て黙った日
コラム
やりとりをさかのぼると、別れた頃に私が送ったきりのメッセージが、返事のないまま残っていました。迷った末に選んだのは、元カレが予想もしていなかったはずの返し方でした。
サイズ直しを終えた指輪が、ジュエリー店のトレーに置かれました。左手の薬指にはめた私を見て、「似合ってる」と笑う婚約者。記念に手元の写真を撮ったところで、カウンターに置いたスマホが短く鳴りました。画面に出ていたのは、もう連絡が来ることはないと思っていた人の名前でした。
1年半ぶりに届いた、元カレからのメッセージ
元カレとは1年半前に別れています。将来の話を切り出した私に、彼は「今は結婚とか考えられない」と言い、そのまま距離を置かれました。
最後に送ったのは「待ってるって言ったら、重いかな」という言葉。既読はついたものの、返事は来ないままでした。
この前プロポーズしてくれた婚約者の前で、その名前の通知を開く気にはなれず、スマホを裏返しました。
婚約者が「ちょっとトイレ行ってくる」と席を立ったのは、そのすぐあとです。
開いた画面には「久しぶり。元気してる?」という、何事もなかったような文面。迷った末に、「元気だよ。どうしたの、急に」とだけ返しました。
続けて並んだ2つの吹き出し
返事はすぐに来ました。「まだ待ってるなら」。続けてもう1通、「戻ってやってもいい」。
「待ってる」という言葉に覚えがあり、やりとりの画面を上へさかのぼりました。1年半前の私のメッセージが、既読の表示だけをつけて残っていました。
元カレはあのメッセージを、ずっと読み返していたのだろうか。上からの言い方より、そのメッセージの古さのほうが気になっていたのです。
婚約者が戻ってくる前に、返事を決めてしまいたい。トイレのほうへ目をやりながら、指輪をはめた左手をカウンターの上に置きました。
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言葉の代わりに送った1枚の写真



























