
引っ越しの荷物から出てきた元カノの傘→俺が本当に送りたかった言葉は別にありました
コラム
彼女に言わせてばかりいた頃
付き合っていた頃も同じでした。彼女の返信が遅いと、俺は「俺がいないと寂しいだろ」と送っていました。寂しかったのは、たいてい俺のほうでした。先に「会いたい」と書けば済む話でした。誕生日に彼女がメッセージを先に送ってくれた年も、返したのはお礼のスタンプだけです。
別れ際に届いた「ちゃんと言葉にしてくれる人がいい」にも、「わかった」としか返していません。引き留めて断られるのが怖かった。自分の気持ちは書かずに、相手の返事だけを待つ癖は、あの頃から少しも変わっていなかったのだと思います。
そして...
それから数日、次のメッセージは送れませんでした。「傘、どうしたらいい?」と打った画面も、送信しないまま閉じました。
傘は、ほかの荷物と一緒に新しい部屋へ運びました。チャットを開くたびに、既読のついた2通が並んだまま、その下には何も届いていません。その下に書き足せば、今度こそ俺から言葉にしたことになる。分かっていても、入力欄は空のままでした。
ほかの箱が少しずつ空になっていくなかで、傘の入った箱だけは、テープを剥がせないまま部屋の隅に残っていました。
(20代男性・営業職)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)






























