「うん、そのうちね」付き合って1か月の彼の誕生日に焼いたケーキが、箱も開けずに冷蔵庫の奥へ

コラム

手つかずの箱と短い返事

翌朝、目を覚ますと、キッチンからパンの焼ける匂いがしていました。「お茶もらうね」と声をかけて冷蔵庫を開けると、箱は同じ場所に入ったまま。

リボンの結び目が私の結んだ形のままなのを見て、思わず聞いていました。

「あのケーキ、食べないの?」

「うん、そのうちね」

彼はトーストにバターを塗る手元から、目を離さないまま答えました。

グラスに麦茶を注ぎ、それ以上は聞かずに冷蔵庫を閉めました。駅までの道では、箱を入れてきた紙袋を小さくたたんで鞄の底へ。

そして...

家に着いてしばらくすると、彼からメッセージが届きました。

写真が1枚。お皿の上に、ガトーショコラが1切れだけ載っていました。

「少しずつ食べることにした」

少なくとも、食べてはくれたのです。それでも、「そのうちね」の短い返事と結んだままのリボンが、頭から離れませんでした。

「おいしかった?」と打ちかけて消し、「食べてくれてありがとう」とだけ返しました。

検索画面は、もう開きませんでした。ただ、どうして彼はすぐに食べようとしなかったのか。次に会ったら、それを聞いてみようと決めました。

(20代女性・事務職)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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