「告白されたから付き合っただけ」と友人の前で答えた彼女→改札の手前で俺に差し出した画面の日付

コラム

帰り道、改札の前で俺はようやく言い返しました。足を止めた彼女がバッグから取り出したのは、スマホでした。あの言葉の続きが、そこにあるようでした。

居酒屋の個室に、彼女の友人の笑い声が響いていました。付き合って1年になる彼女と、その友人と3人で飲むのは初めてでした。ところが、友人の何気ない質問への彼女の答えが、帰り道までずっと耳に残ることになりました。

どっちから告白したの?

友人は彼女の大学時代からの友人で、俺たちが出会ったバーベキューを開いた張本人です。
友人が身を乗り出してきたのは、グラスが2杯目に入ったころでした。
「で、どっちから告白したの?」
俺が口を開くより先に、彼女が答えました。
「告白されたから付き合っただけ」
彼女はそう言って、グラスの氷をストローで回しました。友人は「へえ」と笑い、彼女の顔をのぞき込んでいます。
確かに告白したのは俺でした。2回目に会った帰り道、駅まで歩きながら気持ちを伝えたのです。間違ったことは言っていないのに、「だけ」という響きが引っかかりました。

笑って流した俺

その場では、俺も「そうそう、俺の押し勝ち」と笑って流しました。
友人はなぜか楽しそうで、彼女はその後ほとんど俺の方を見ませんでした。話題が友人の職場の話に移っても、さっきの響きが頭から離れません。
1年付き合って、彼女から好きだと言われた記憶はあまりありませんでした。誕生日も記念日も、言葉より先にプレゼントが出てくる人でした。
告白されたから、仕方なく付き合っている。そう聞こえてしまうと、これまでの1年が全部ひっくり返る気がしたのです。
店を出て友人と別れ、駅に向かう道で、彼女が「さっきのことだけど」と言いかけました。俺はその声をさえぎって足を止め、改札の手前で彼女の方に向き直りました。

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