「初デート、駅前のファミレスでいい?」と誘ってきた彼→席に戻るたびに裏返しだったスマホ

コラム

「気にしないで」と笑う彼

「誰かと話してるの?」

グラスを置きながら聞くと、彼は少しだけ目をそらしました。

「ああ、サークルのやつら。気にしないで」

サークルの友だちとのやりとりなら、珍しいことではありません。ただ、目の前の私より画面の向こうが気になっているように見えて、残りのドリアはなんだか味がしませんでした。

そのあとの会話も楽しかったのに、裏返したスマホが震えるたびに、彼の視線がそちらへ動くのが分かりました。

会計のとき、私は財布を出しました。

「私も出すよ」

「じゃあ、半分ずつで」

すぐにそう返ってきて、2人で同じ額を払いました。帰りの電車でスマホを見ると、彼からメッセージが届いていました。

「今日はありがとう。楽しかった」

「私も楽しかった。また行こうね」

そう返して、スマホをバッグにしまいました。

そして...

改札を出たところで、バッグの中のスマホがもう一度震えました。お礼のメッセージには、もう返事をしています。裏返されたスマホと、両手の親指で画面を打っていた彼の姿が、頭の中で重なりました。

あの席で、彼はサークルの友だちとどんな話をしていたのでしょうか。そして今届いたもう1通には、何が書かれているのでしょうか。

(20代女性・大学生)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

  • X
  • Line