「本当に、あなた?」と返された俺→未読のまま3日、見覚えのないアカウントで送るしかなかった本当の事情

コラム

4日目、ようやく見つけた彼女のアカウントに、俺は受付票の写真を送りました。言い訳だと思われないためには、それしか方法が思いつかなかったのです。

駅のホームで、遠距離中の彼女からの通知を開こうとした瞬間、スマホが手から滑り落ちました。拾い上げたときには、画面は蜘蛛の巣のようにひび割れ、何も映らなくなっていたのです。通話で気まずくなった、その帰り道のことでした。

光らなくなった画面

彼女とは付き合って1年、遠距離になって半年。その日の通話は、次に会う日の予定でかみ合わず、俺が黙り込んだところで終わってしまいました。謝るのは俺のほうだ。そう思いながら、届いた通知を開こうとした矢先の出来事でした。

翌日、修理店に持ち込むと、受付の人は申し訳なさそうに言いました。

「データを残すなら、お預かりは1週間ほどです」

画面だけ直せば早く戻ると言われましたが、俺はデータを残すほうを選びました。2人で撮った写真が、全部あの中に入っていたからです。

受付票をポケットに入れ、とりあえず安い機種を買いました。ところが、メッセージアプリのパスワードが思い出せません。

彼女を探した3日間

新しいアカウントを作り、名前はひらがなで登録しました。それから、彼女のIDを検索しました。実家の猫の名前と数字を組み合わせたものだった気がするのですが、正確には覚えていません。

思いつく組み合わせを、メモ帳に一つずつ書き出しては試しました。3日目には、そのリストは40行を超えていました。

彼女の電話番号も、スマホに頼りきりで覚えていませんでした。共通の友人もいない遠距離では、ほかに連絡する手段がなかったのです。

彼女は今ごろ、未読のままの画面を見て何を考えているだろう。そう思うたびに、検索欄に次の組み合わせを打ちました。

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