「爪くらい整えろ」と言った彼に、ローテーブルの上で2人の手を並べて撮った写真を見せた結果

カップル

ハンドクリームを指先に塗り込み、ふたを閉めたところで、彼の視線が私の手元に止まりました。付き合って2年、彼は私の部屋で、いつものように録画した番組を見ていました。ところが彼が口にしたのは、私の爪への注文でした。

花屋の手に向けられた注文

私は花屋で働いています。バラのとげや花束を留めるワイヤーで、指先には小さな切り傷が絶えません。水仕事も多く、爪は短く切りそろえるのが精いっぱいで、横のほうは茎の汁でうっすら緑色に染まっていました。

それでも、この手でたくさんの花束を作ってきました。整った指先ではなくても、働いてきた跡が残る手です。少し誇らしく思っていたのは、その手でした。彼はその手を見て言いました。

「爪くらい整えろ」返事をする前に、もう一言続きます。「女だろうが」

女だから、という理由

「女だったら、いつも爪をきれいにしてなきゃいけないの?」

聞き返すと、彼はテレビに目を戻したまま肩をすくめました。

私の仕事の事情を、彼は知っているはずです。それなのに、どうしてあんな言い方になるのでしょう。以前にも彼に「女なんだから料理くらい」と言われ、そのときは笑って聞き流しました。積み重なっていたものが、今度は流れていきませんでした。

向かいに座る彼を、改めて見ました。寝ぐせの残った髪は伸びっぱなしで、あごには剃り残しがぽつぽつ。気取らない自由なところが好きで付き合い、身なりについて何か言ったことは一度もありません。その彼に、言われる筋合いはありませんでした。

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