
「こんなの食えるか」と夕食を床に払う夫→義父母に通報されかけた私が、無言で向けたカメラの先の真実
ライフスタイル
黙ってカメラを向けた先
私は夫の手からそっとスマホを取り、カメラを床に向けました。画面の向こうで義父母の表情がこわばります。「義父さん、義母さん。これを見てください」と私は言いました。
「私が作ったご飯です。息子さんが手で払いました」。二人ともじっと見ていました。続けて私はアルバムから写真を画面に近づけました。割れた皿、ひっくり返った鍋、踏み潰されたサラダ。「これは先月、これは2週間前、これは先週です。ずっと我慢してきました」。画面の向こうの義父が、「お前、何やってるんだ」と、低い声言いました。義母は涙ぐんで「ごめんなさい。私たち、息子の言うことだけを聞いていました」と頭を下げました。夫は、画面に映る両親の顔から目をそらしていました。
そして...
その夜のうちに、義父と義母が我が家まで来ました。床にしゃがんで一緒に煮物を片付けながら、義父は息子に向かって「これは俺の悪い癖だ。お前に移ったのは、俺が直してこなかったせいだ」とぽつりと言いました。横で聞いていた義母が「私もずっと、同じことをされていたの」と私のほうを見ました。
夫はその夜、義父と義母にきちんと頭を下げて謝りました。私にではなく、まず両親に。順番が違うとも思いましたが、それは夫がいちばん怖がっていた人たちに頭を下げたという意味で、たしかな一歩でした。私はあの日の写真を、消さずに残しました。許す許さないは、もう少し時間をかけて決めます。これからは黙ってのみ込まなくていい。そう思えただけで、台所に立つ気持ちが軽くなりました。
(30代女性・パート)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)

























