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会議室でうつむいたのは、3ヶ月間笑っていた私のほうだった

コラム

あの10分間

月例会議で、新人がプレゼンの場に立ちました。正直、あまり期待していなかったのです。ところが最初のスライドが映し出された瞬間、空気が変わりました。

データの精度、構成の緻密さ。何より、3ヶ月間じっと観察して気づいた部署の課題を、的確に言葉にしていました。私が5年かけても整理できなかったことを、あの子は10分で伝えきったのです。

部長が「すぐ実行に移せるか検討したい」と前のめりになり、周囲がうなずいています。私は手元の資料に目を落としたまま、顔を上げることができませんでした。

そして...

会議のあと、彼女のデスクに行って「さっきのプレゼン、よかったよ」と伝えました。彼女は「ありがとうございます」とだけ返して、画面に視線を戻しました。その素っ気なさが、胸に刺さりました。給湯室でのあの声、聞こえていたのかもしれない。

あの子がおとなしかったのは、弱いからじゃなかった。言葉を選び、観察し、考えを深めていたのです。5年いて表面を撫でるだけだった私と、3ヶ月で核心を突いたあの子。会議室で一番おとなしかったのは、何も言えずにうつむいていた私のほうでした。

(30代女性・会社員)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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