
彼女へのメッセージから「♡」を外した俺が、本当の理由をどうしても言えなかった夜
コラム
言えなかった本音
週末の夕食中、とうとう彼女が聞いてきました。
「なんで最近ハートつけないの?」
声が少し揺れているのがわかって、胸の奥がずきっと痛みました。俺はスマホをテーブルに置いて、「別に」と返した。
「前はつけてたじゃん」と彼女が続けます。
「あれはノリだよ、最初の頃の」そう言いながら、少し目をそらした。言いながら、自分でも嘘だとわかっていました。
ノリじゃなかった。毎晩、あの記号をつけるとき、俺は確かに彼女のことを想っていた。でも本当の理由を話すには、あの通知を見たと言わなきゃいけない。スマホの画面をのぞいたわけじゃない、たまたま映っただけ。それでも、そこに引っかかっている自分が器の小さい男に思えて、どうしても口に出せませんでした。
そして...
彼女が帰ったあと、ソファに座ったまま天井を見上げました。俺はただ、あの「♡」が俺だけのものであってほしかっただけなのだと思います。それが独りよがりな願いだったと気づいたとき、つけ続ける理由を見失いました。
彼女からのメッセージが届きました。「今日ありがとう」ハートはついていませんでした。
いつもはついていたのに。自分がやったことが、そのまま返ってきた気がして、スマホを持つ手がじわりと冷たくなりました。しばらく、画面を伏せたまま動けませんでした。言えばよかったのかもしれない。格好悪くても、「俺だけにつけてほしかった」と。その一言が言えなかった夜を、きっとずっと後悔する気がしています。
(20代男性・営業職)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)


























