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冷蔵庫のラベルを見るたび昔のシェア生活がよみがえる。彼女に言えないまま、僕は全部はがしてしまった

コラム

あの家での暮らし

ナオというのは、昔つき合っていた人ではありません。社会人になりたての頃、何人かでルームシェアをしていた相手です。冷蔵庫も棚も、家じゅうのものすべてに名前と細かいルールのラベルを貼られていました。「これは勝手に使わないで」「使ったら元の位置へ」。自分の家のはずなのに、ずっと誰かに見張られているようで、くつろげた記憶がありません。彼女のラベルに悪気がないのはわかっていました。それでも、あの頃の借り物のような暮らしが重なって、見るのがつらかったのです。

そして...

このままではいけないと思い、僕は彼女に打ち明けました。あの同居生活のこと、ラベルを見るとあの窮屈さがよみがえってしまうこと。話し終えると、彼女は少し考えてから言いました。「だったら、最初にそう言ってよ」そのとおりでした。黙ってはがして、彼女を戸惑わせていたのは僕のほうです。それから僕たちは、どこに何を貼るかを二人で決めるようになりました。同じラベルでも、二人で選んだものなら、不思議とこの家がちゃんと自分の居場所に思えるのです。

(30代男性・会社員)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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