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「周りを見てからドアを開けて」と言う彼を疑った私が、玄関で知った本当の理由

コラム

玄関先で住人に呼び止められた私を、彼は部屋へ引き入れました。

鍵を閉めた彼にぶつけた一言で、彼が抱えていた過去が動き出します。彼の部屋の玄関には、いつからか、私の靴をしまうための箱が置かれるようになっていました。

増えていく約束

訪ねる日は事前にメッセージで知らせること、玄関ではなるべく声を出さないこと。付き合って2年になる彼の注意は、少しずつ増えていきました。帰り際に決まって言われるのは、いつも同じ言葉です。

「周りを見てからドアを開けて」

最初のうちは用心深い人だと思うだけでした。でも靴を箱にしまわれ、傘の置き場所まで指定されるうちに、私は自分が彼の生活から消されているような気がしてきました。

玄関先の質問攻め

ある日、約束より早く着いた私は、彼の部屋の前で呼び鈴を押そうとしていました。そこへ斜向かいのドアが開き、年配の女性が笑顔で近づいてきました。

「あなた、最近よく見かけるわね。お名前は?どのお部屋にご用?」

返事に迷っていると、質問は勤め先や帰る時間にまで及びました。そのとき内側から玄関が開き、彼が私の腕を引きました。

「すみません、急いでいるので失礼します」

部屋に入った彼は、鍵を閉めてから長く息を吐きました。私の中では、別の感情が膨らんでいました。やっぱり私は、見られたら困る存在なんだ、と。

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彼が守っていたもの
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