「待つのが女の仕事だろ」と言った彼が、講座が長引いた私を改札の前で50分待っていた

コラム

手渡された缶のミルクティーは、もうぬるくなっていました。長く待たせたのに、彼は文句を一言も口にしません。それがかえって引っかかり、聞かずにはいられませんでした。

講座の教室を出て、駅へ向かいました。待ち合わせの時刻は、とっくに過ぎています。カバンの中のスマホには、彼からのメッセージが1件だけ。改札の前で待つ彼がどんな顔をしているのか、うまく思い浮かびませんでした。

改札の前で返ってきた言葉

付き合って2年になる彼は、待ち合わせに遅れてくることがよくありました。

半年前のあの日も、駅の改札の前で40分待ちました。その間、連絡はありません。ようやく姿を見せた彼に「連絡くらいしてよ」と言うと、彼は少し笑ってこう返しました。

「待つのが女の仕事だろ」

軽い口ぶりでした。その軽さのほうが、言葉そのものより引っかかったのを覚えています。言い返す代わりに、改札のほうへ歩き出しました。それきり、どちらもあの日の話はしていません。

3か月前から、休日に簿記の講座へ通い始めました。講座のあとに駅で落ち合うのが、いつの間にか2人の決まりになっていました。

届いていたメッセージ

その日は模擬試験の解説が長引き、講師の話が終わるまで席を立てませんでした。スマホは音を消して、カバンの奥に入れたまま。

教室を出て画面を開くと、講座が終わる予定の時刻に「改札の前にいるね」と届いていました。その後には、何も来ていません。

不機嫌な顔で迎えられるのか、それとも先に帰ってしまったのか。駅までの道を早足で歩きながら、謝る言葉を頭の中で何度も並べ直しました。

改札の前に着くと、彼は柱の横に立っていました。私に気づくと、手に持っていた缶のミルクティーを差し出し、「おつかれ」と一言。

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