「元気?」と送ってきた夫の先輩の女性→画面を見せると、夫は顔色を変えて寝室のドアを閉めた

コラム

「ちょっと、仕事の連絡してくる」。先輩から届いたメッセージを見せると、夫はそう言って寝室へ入っていきました。翌日届いた2通の返信が、疑いをさらに深めていきました。

洗濯物をたたんでいると、ソファに置いたスマホが短く鳴りました。画面に出ていたのは、夫の職場の先輩の名前です。1年近く動いていなかったチャットに、短い問いかけが1つだけ届いていました。

久しぶりに届いた「元気?」

開くと、画面には「元気?」とだけありました。

先輩は夫より少し年上の女性で、去年の夏に夫の会社で開かれた家族参加のバーベキューで一度会ったきりです。帰り際に連絡先を交換し、写真を何枚か送ってもらって、やりとりはそれで終わっていました。

毎日夫と顔を合わせている人が、なぜ今になって私に連絡してくるのだろう。夫に何かあったのか、それとも私に言いたいことがあるのか。打ちかけた文面を、何度も消しては打ち直しました。

10分ほどして、「元気ですよ!お久しぶりです。何かありましたか?」と送りました。返事は少し間を置いて届きました。

「ううん、元気ならよかった」

元気なら、という書き方が引っかかりました。元気ではないかもしれないと、先輩は思っていたのでしょうか。思い当たるのは、この春に部署が変わってから帰りが遅く、休みの日に焼いていたパンもしばらく焼いていないことくらい。それを先輩が知っているはずはありません。

スマホを受け取った夫の顔

夫が帰ってくるのを待って、ソファで画面を見せました。

「先輩からこんなの来たんだけど」

夫はスマホを受け取ると、画面を上へ戻し、また下まで送りました。読み終えるころには帰ってきたときの笑顔が消え、夫の顔色は目に見えて変わっていました。

「これ、なんて返したの?」

「普通に元気ですって」

夫は私の返信のあたりを、もう一度じっと見ていました。

「ちょっと、仕事の連絡してくる」

スマホを返すと、夫は自分のスマホを持って寝室へ入り、ドアを閉めました。

残されたリビングで、先輩の「元気?」を読み返しました。夫の顔色を変えるような何かが、2人の間にあるのだろうか。職場での夫を、私はほとんど知りません。今頃ドアの向こうで誰と連絡を取っているのだろうと、想像ばかりが先へ進みました。

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