財布とスマホしか入らないバッグで出かけ、友人に荷物を預け続けた私。同じ一言を返された日に抱えたもの

コラム

友人がバッテリーと一緒に差し出してきたのは、私がこれまで何度も口にしてきたあの一言でした。小さなバッグの口を開けても、そこにはもう何かを受け取る隙間などありませんでした。

出かける前、小さなショルダーバッグに財布とスマホだけを入れました。それだけで、口はもう閉まりきりません。どれだけ買い物の予定があろうと、これ以上大きなバッグは持たないと決めていたのです。

「入れてよ」と言われる側だった過去

高校時代、いつも一緒にいた4人の中で、一番大きなバッグを持っていたのは私でした。遠足でも放課後の寄り道でも、言われるのは決まって「そっちのバッグ大きいから入れてよ」。水筒もお菓子も上着も、すべて私のバッグに詰め込まれていきました。

修学旅行の帰りは、3人分のお土産でバッグがいっぱいになり、自分のお土産だけは手で抱えて歩きました。電車の中で身軽な3人が並んで眠るなか、私だけが膝の上の箱を落とさないよう必死に抱えていたのです。

それ以来、「もう二度と大きなバッグは持たない」と心に決めました。入れる場所さえなければ、誰からも頼まれることはないからです。

今の友人と出かけるようになって、気づけば私の方がその言葉を口にするようになっていました。頼む側に回ると、あの頃の3人のように身軽でいられる気がしたのです。「次は大きいバッグで来たら?」と言われても「これでいいの」と答えていたのは、大きなバッグを持てば、また頼まれる側に戻ってしまうような気がしたからでした。

認めたくなくて素直に謝れなかった

友人のバッグを勝手に開けてポーチを探すのが、失礼な行為だとは分かっていました。手帳を床に落としたときも、拾ってくれたのは友人です。

アイスコーヒーのときも、蓋をしっかり確かめずに「これも入れといて」と押し込んでしまいました。濡れた手帳を見ても、自分が悪かったと認めたくなくて、紙ナプキンを渡すことしかできませんでした。私は友人の手帳よりも、身軽でいられる自分を守ることを優先してしまっていました。

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