
「このグレーの服の人よりかわいいって言われた!」居酒屋の写真つきで届いた同期の誤送信→グレーの服は私でした
コラム
既読はついたまま、同期から返事は届きませんでした。会社では何事もなかったように挨拶を交わしながら、私は会議で手を挙げる回数を増やしていきました。
通知を開くと、見覚えのある居酒屋の写真が表示されました。前日、ほかの部署も集まる大きな飲み会に、仲のいい同期と参加していたのです。写真の端には、グレーのニットを着た私も写っていました。その下に添えられた一言を読むまでは、ただの思い出の1枚でした。
写真に添えられていた言葉
飲み会では、同期とは別々のグループで話していました。お互いがどんな話をしていたのかは知らないまま、翌日になって「昨日はおつかれさま」と送ったばかり。その返信のように届いたのが、あの写真でした。
「このグレーの服の人よりかわいいって言われた!」
写真の中でグレーの服を着ているのは、私だけです。何度見直しても、ほかに当てはまる人はいませんでした。
文面からすると、私に宛てたものではないのでしょう。誰かに見せるつもりで、送り先を間違えたのだと思いました。少し迷ってから、こう返しました。
「そのグレーの服の人って私だよね?」
返ってこない返事
既読はすぐにつきました。けれど、いくら待っても続きは届きませんでした。
誰かを引き合いに出されて褒められても、私なら素直に喜べません。比べられた相手が友人なら、なおさらです。むしろ、言った人に腹を立てると思います。同期はそれを喜んで、しかも誰かに話そうとしていた。今頃、本当は誰に送るつもりだったのだろう。そう考えるたびに、写真の中で並んで笑っている自分たちが、少し遠く見えました。
スマホを伏せてテーブルに置きました。休みが明ければ、会社で同期と顔を合わせることになります。
次のページへ
何もなかったように




























