彼に送るはずの自慢を、本人に誤送信した私→答えられないまま、同期は仕事に打ち込んでいった

コラム

写真の本人から届いた問いかけに、私は打っては消すばかりでした。会社では普通に挨拶してくれる同期が、ランチの誘いだけは断るようになっていきました。

「あのグレーの服の子よりかわいいね」。ほかの部署の先輩がそう言ったのは、飲み会が盛り上がってきた時でした。この場でグレーのニットを着ていたのは、入社以来ずっと仲のいい同期です。その場では照れ笑いでごまかしたものの、帰り道まで顔がゆるみっぱなしでした。

グレーの服の同期

その飲み会は、ほかの部署も集まる大人数の席でした。同期とは一緒に参加したものの、話していたのは別々のグループです。先輩の言葉を、同期は聞いていませんでした。

その同期は、私がずっとかわいいと思ってきた人でした。服の選び方も、笑ったときの目元も。その同期より、と言われたことが、自分の中で特別な褒め言葉に変わっていました。

送り先を間違えた一言

翌日、彼に話したくてたまらず、写真を添えて打ち込みました。チャットの一覧の一番上を、いつものように彼だと思って押したのです。

「このグレーの服の人よりかわいいって言われた!」

送ってから気づきました。一番上にあったのは、少し前に同期から届いた「昨日はおつかれさま」のチャットでした。

取り消す前に既読がつき、返事が届きました。

「そのグレーの服の人って私だよね?」

写真に写っている本人に、その本人と比べた自慢を送ってしまった。そこで初めて、あの言葉が同期を下に置いたうえでの褒め言葉だったことに思い当たりました。

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打っては消した返事
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