彼女を遠ざけたのは、1週間かけて書き直した俺の長い謝罪文でした

コラム

さかのぼったトークの一番下に

1週間がたって、書きためた文面を一晩かけて直し、窓の外が白みはじめたころに送信ボタンを押しました。書き出しには「ずっと謝れなくてごめん。長くなるけど読んでほしい」と打ち、途中には「重いって書いたけど、その重さに助けられてたのは俺のほうだった」とも書いています。

少しうとうとしてスマホを見ると、返事が届いていました。

「ちゃんと読んだよ。少し時間ちょうだい」

読み返すうちに、トークを上へさかのぼっていました。おじぎのスタンプが並ぶ1週間の前には、数行ずつの彼女の吹き出しと、「了解」「おつかれ」ばかりの俺の吹き出し。そしてスタンプの列の一番下に、画面を埋めるほどの長文がありました。

重いと言った相手に、一番長いものを送っていたのは俺でした。謝りたい気持ちを全部読ませることで、自分だけが楽になろうとしていたのかもしれません。

そして...

「わかった。待ってる」

それだけ打って、送信しました。付け足したかった言葉は、送信ボタンの手前で全部消してしまいました。

それから、送る前に自分の文面を一度だけ読み返すようにしています。彼女とのトークは、まだ俺の送ったメッセージで止まったままです。

(20代男性・営業職)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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