紅葉の計画を立てるのは好きなのに、出かける日になると体調不良を理由にしていた俺

コラム

言い慣れた理由が使えなかった

「まだちょっとしんどい」と打って、消しました。「寝てれば治るから」と打って、また消す。どれを送っても、4回目の同じ言い訳になる気がしました。

送ったのは「ごめん。ほんとは、起きたら行くのがだるくなってた」。続けて「3回とも」。

返ってきたのは「じゃあ最初からそう言ってよ」でした。布団から起き上がって、その言葉を何度か読み返しました。最初から言えば、彼女をがっかりさせる。それが嫌で、体調のせいにして逃げていたのは俺のほうです。

しばらくして、もう1通届きました。「山はもういい。駅の裏の公園なら来れるでしょ」

「行く。30分で着く」と返して、上着をつかみました。

そして...

公園の入口に、彼女が立っていました。前まで行って「ごめん」と頭を下げると、彼女は「寒いから早く歩こ」とだけ言って、先に歩き出しました。

自販機で温かいお茶を2本買い、池のまわりを歩きながら、彼女のリュックから出てきたおにぎりを2人で分けました。もみじにスマホを向ける彼女の後ろを、少し離れてついていく時間。

今は、出かける前の日に、起きられそうかどうかを自分から送るようにしています。山の紅葉は、まだ来年の約束にできていません。

(20代男性・営業職)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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