娘の「今日は友達の家に泊まる」の嘘を見抜いた私→問い詰める代わりに送った、1枚の写真

コラム

問い詰める言葉を打ちかけては消し、送ったのは言葉を添えない写真だけ。既読のあとに続いた長い間と、娘が最後に口にした一言が、まだ引っかかっています。

洗面台を拭いていると、ポケットのスマホが短く鳴りました。娘からの、友達の家に泊まるというメッセージ。けれど鏡の横には、泊まりのときに必ず持っていくポーチが置かれたままでした。

置きっぱなしのポーチ

届いたのは、「今日は友達の家に泊まる」という短いメッセージだけでした。

大学2年の娘が友達の家に泊まるのは、これまでにも何度かあったことです。そのたびに持っていくのが、歯ブラシと化粧水を詰めたあのポーチ。それが鏡の横に残っているのだから、最初から泊まるつもりで出かけたわけではないのでしょう。

友達の家ではない、どこか。言いにくい相手と一緒なのかもしれない、と想像が広がっていきました。

出がけのやりとりも頭をよぎりました。「今日ハンバーグがいいな」と言われて「はいはい」と返したあと、娘が切り出した話に、洗い物の手を止めないまま「どうせまた途中でやめるんでしょ」と答えていました。

ピアノも部活も続かなかった娘への、いつもの軽口のつもりです。娘は「もういい」とだけ言って出ていきましたが、よくある小競り合いの1つとしか考えていませんでした。

打っては消した一言

「本当に友達の家?」と打ちかけて、送信の前に消しました。

20歳の娘を問い詰めたところで、本当のことが返ってくるとは限りません。娘と同じ年の頃、母に帰りの時間を細かく聞かれるたび、話す内容を減らしていった自分を覚えています。

キッチンに戻ると、コンロの上にはハンバーグが1つ残っていました。あの言い合いのあとでも、頼まれたとおりに作っていたものです。

ラップをかけて、娘がいつも使う皿ごと写真を撮りました。言葉は添えずに、その1枚だけを送信。どこにいても、あなたの分はここにあると伝えるには、それで足りる気がしたのです。

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既読のあとの長い間
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