
友達の前で「こいつ料理下手でさ」と笑った彼氏→帰り際の玄関で、その友達が私にだけ伝えた一言
コラム
帰り際、彼が部屋の奥へ戻ったわずかな間に、友達が小さな声で教えてくれたことがありました。次の弁当で、私は端の崩れた卵焼きを、いちばん目立つ場所に詰めました。
大皿に並べた卵焼きへ、彼の友達がいちばんに箸を伸ばしました。ひと切れ食べて、すぐにもうひと切れ。うれしくなって友達のグラスにビールを注ぎ足したとき、隣の彼が笑いながら口を開きました。
彼の同期を招いた休日の食卓
同棲して1年になる彼が、会社の同期を家に招いたのは久しぶりの休日でした。大学時代からの付き合いで、いちばん仲のいい友達だと聞いていた人です。
前日から肉じゃがを煮込み、当日は唐揚げを揚げて、最後に甘めの卵焼きを焼きました。毎日の弁当にも入れている、彼の好物です。
友達が2切れ目を口に運んだそのとき、彼の口から出たのがこの言葉でした。
「こいつ料理下手でさ」
少し間を置いて、「卵焼きもいつも崩れてるし」と続けました。
台所から見た大皿
友達は箸を持ったまま「え、普通にうまいけど」と首をかしげ、彼はまた笑って自分のグラスのビールを飲み干しました。
「ごめんね、下手で」
口角だけ上げてそう返し、私は氷を取りに台所へ立ちました。冷凍庫を開けたまま振り返ると、大皿の卵焼きは確かに端が少し崩れていました。弁当箱に詰めるたび、彼は「今日もうまそう」と言ってくれていたはずです。あの言葉と、さっきの笑い声が、どうしてもつながりませんでした。
残りの時間は会話にほとんど加わらず、空いた皿を下げてばかりいました。玄関で、友達と2人きりになるまでは。
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玄関で聞いた小さな声




























