
私の父に「結婚は考えてません」と答えた彼→門扉を出たところで「さっきの、続きがあって」と言われた私
コラム
門扉の外で、彼が言いかけたこと
門扉を出たところで、母が「これ食べて元気出して」と紙袋を渡してくれました。そのとき、彼が「さっきの、続きがあって」と言いました。
「もういいよ」
振り返らずにそれだけ返して、駅への坂を先に下りました。1歩後ろで彼がまだ何か言っていましたが、耳に入れないようにして足を速めました。
父の前では言わなかったことを、今になって付け足されても困ると思いました。考えていないのなら、それが答えのはずです。返事をしないまま改札を抜け、別々のホームへ分かれました。
そして...
部屋に帰って紙袋を開けると、筑前煮のタッパーが2つ入っていました。片方のふたには、母の字で「彼の分」と書いた付箋が貼ってあります。
父の手元を見たままだった彼の横顔を思い出しながら、スマホに「続き、明日ちゃんと聞かせて」と打って送りました。すぐに既読がつき、「うん。今度は最後まで言う」と返ってきました。
最後まで、ということは、あの答えにはまだ先があったのでしょうか。坂道で耳に入れなかったあの言葉も、気になり始めていました。付箋のついたタッパーは、冷蔵庫の一番手前に入れました。
(20代女性・営業事務)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)






























