
「そっちのバッグ大きいから入れてよ」出かけるたび私に荷物を持たせる友人→ある日、私も同じお願いをしてみると…
コラム
「これでいいの」。「次は大きいバッグで来たら?」と言っても、友人はそう笑うだけでした。あの日、私が同じお願いを返すと、友人の両手は最後まで荷物で塞がったままになりました。
雑貨屋を出たところで、友人が買ったばかりの紙袋を私のバッグに押し込んできました。続いて折りたたみ傘、化粧ポーチ。友人の肩の小さなバッグは、財布とスマホだけで口が閉まりきらなくなっていました。
「これでいいの」と笑う友人
友人とは前の職場の同期で、今もよく買い物に出かける仲です。しかし、会うたびに「そっちのバッグ大きいから入れてよ」と言われるのが悩みでした。
友人が持ってくるのは、いつも財布とスマホでいっぱいになるような小さなバッグ。入りきらない分は、すべて私のバッグ行きです。
一度、「次は大きいバッグで来たら?」と言ったこともあります。けれど友人はバッグをポンポンと軽くたたいて、「これでいいの」と笑うだけでした。
買い物に行くと分かっているのに、なぜ毎回そんなに小さなバッグで来るのだろう。入りきらないなら大きいバッグを持ってくればいいだけなのに……。喉まで出かかった言葉を飲み込んで、その日も荷物を引き受けました。
蓋の緩んだアイスコーヒー
預かる荷物は、遊ぶ回数を重ねるごとに増えていきました。帰り道には、バッグのストラップが肩に食い込むほどです。
化粧直しのたびに、友人は断りもなく私のバッグを開け、中をごそごそとかき回してポーチを探します。レシートや手帳が床に落ちてしまったこともありました。
決定打となったのは、前回カフェを出たときのことです。飲みかけのアイスコーヒーを手にした友人は、「これも入れといて」と私のバッグに押し込んできました。駅に着いてバッグを開けると、底には茶色い水たまりが……。仕事の予定を書き込んでいた手帳が、半分ほど湿って波打っていました。
「ごめん、蓋閉まってると思ってた」
友人が差し出してきたのは、紙ナプキンたった1枚だけ。大きいバッグを持ってこないのなら、その不便さを一度味わってもらうしかない。私はそう心に決めました。
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同じお願いを返した日


























