
「マッチングで会う女は軽い」と言った彼が、その場で私を見た話
コラム
席に戻ると、先輩が頭を下げた
洗面台の前で、アプリに登録したころの自分を思い出していました。プロフィールには、休日に一緒に散歩できる人がいいと書いただけ。軽いと言われるような言葉を並べた覚えはありません。
席に戻ると、テーブルの笑い声は止んでいました。先輩はジョッキを両手で持ったまま、私に向き直りました。
「さっきは変な話して悪かったね」
頭まで下げられ、「いえ」とだけ返しました。隣の彼は自分のグラスを見つめたまま、口を開きません。先輩が謝っているのに、言った本人はどうして黙っているのか。残りの料理の味は、ほとんど覚えていません。
そして...
駅までの道、彼は私の半歩後ろを歩いていました。改札の手前で、ようやく彼の足が止まりました。
「さっきの、ごめん」
それだけでした。何に対しての謝罪なのか、説明は続きません。
「何がごめんなのか、明日教えて」
そう告げて、1人で改札を通りました。エスカレーターの手前で振り返ると、彼はまだ改札の外に立っていました。
帰りの電車では、先輩の下げた頭ばかりが浮かびました。私が席を外していた数分の間に、あのテーブルで何があったのでしょう。
(20代女性・事務職)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)






























