
「キャリアとか言うな」と送ってきた彼に、私が返した辞令の画像
コラム
相談の形で送った異動の話に、彼から返ってきたのは短い一行でした。言い返す代わりに送った1枚の画像にもすぐに既読がついたのに、次の返事はなかなか届きません。
テーブルの上には、会社から持ち帰った白い封筒が置いたままになっていました。中身を見せる前に、まずは彼にメッセージで話しておこうと決めていました。ところが、返ってきた一行は、私が思い描いていたどの返事とも違っていました。
相談の形にして送った文面
付き合って3年になる彼とは、それぞれ別の部屋で暮らしています。1週間前、上司から支社への異動を打診され、その場で受けると答えました。主任として新しいチームを任せてもらえる話で、入社したころから目指していた役割です。
ただ、そのことを彼には言えずにいました。支社は今の部屋から遠く、決まれば離れて暮らすことになります。2人で話し合う前に、私だけが先に選んでしまった。そう思われるのが、怖かったのです。
辞令が正式に出た日、帰宅してすぐに打ったのはこんな文面です。
「支社への異動の話が出てて。キャリアのこと考えたら、受けたほうがいいと思うんだよね」
もう決まったことを、相談の形にして送りました。背中を押してもらえたら、そのあとで辞令を見せるつもりでした。
既読の数分後に届いた一行
既読はすぐにつきました。数分後に届いたのは、たった一行です。
「キャリアとか言うな」
スマホを持ったまま、その一行を最初から読み直しました。入社してから積み上げてきた仕事を、まとめて片付けられた気がしました。残業の愚痴も昇格試験の話も、3年間ずっと聞いてくれていた人の言葉とは思えません。
説明の文章を打ち始めて、途中で全部消しました。代わりに封筒から辞令を取り出してテーブルに広げ、写真を撮りました。発令日と私の名前、支社の名前が並んだ1枚です。文面は付けずに、その画像だけを送りました。
相談ではなく、もう決まったことだと伝えたかった。テーブルに広げたままの辞令の横で、画像にはすぐに既読がつきました。
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40分後に届いた通知



























