
「今日もひとりで」と投稿した俺→それでもクラゲの写真に彼女を残した理由
コラム
彼女から届いたスクリーンショットを前に、返事の書き出しを打っては消しました。あの1枚を選んだ理由だけは、会ってからも言えないままです。
水族館の名前をタップして開いた一覧に、見慣れた半券が2枚並んでいました。説明文は「彼と水族館。クラゲがきれいだった」。そのすぐ下には、帰りの電車で俺が上げたクラゲの写真がありました。
3年前に冗談半分で書いたプロフィール
転勤でこの街に来て3年になります。知り合いもいない休日に、ひとりで水族館へ通い始めたのがアカウントの始まりでした。プロフィールの「独身。休日はひとりで水族館めぐり」は、そのころ冗談半分で書いたものです。
フォロワーが増えるにつれて、「ひとりで行く勇気が出ました」というメッセージが届くようになりました。同じように休日を過ごす人たちの居場所になっている気がして、彼女と付き合い始めてからも、説明文は「ひとりで」のままにしていました。書き換えるきっかけを、自分で先延ばしにしていただけです。
打ちかけてやめた「今日はふたりで」
その日、クラゲの水槽の前で20枚以上シャッターを切りました。帰りの電車で見返すと、その中の1枚だけ、ガラスに彼女の白いニットと俺のパーカーがうっすら映っていたのです。説明文に「今日はふたりで」と打ちかけて、手を止めました。代わりに入れたのが「今日もひとりで」です。
その写真と彼女の投稿が、同じ一覧に上下で並んでいる。彼女の投稿には「彼と水族館」と書かれていました。このまま誰かに見比べられたら、自分が「ひとりで」と書いていることまで不自然に見える。そう思った瞬間、「SNSで彼氏アピールするな」と送っていました。
「アピールって、チケットの写真だけだよ?」と返ってきて、重ねて送ったのは「彼って書くのやめて」。少しして一覧を開き直すと、彼女の説明文から「彼と」が消えていました。自分で頼んだことなのに、その画面を長く見ていられませんでした。
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どう書いても言い訳になる返事




























