
毎晩22時40分の連絡が0時になった俺→「会って話したい」とだけ返した本当のわけ
コラム
送別会の原稿は、最後の段落だけがどうしても書けませんでした。そこに出てくるのは先輩ではなく、毎晩「帰ったよ」を送っている相手だったからです。
ファミレスのドリンクバーで、俺はその夜4杯目のコーヒーを注いでいました。席に戻ると、スマホのメモには書いては消した文章が並んでいます。気がつけば、付き合って1年半の彼女にいつもの連絡を送る時刻を、大きく過ぎていました。
「22時には会社を出ろ」と言った人
入社以来お世話になった先輩が、春で地元に戻ることになりました。週末の送別会で、部署を代表して挨拶をしてほしいと頼まれたのです。
仕事を一から教えてくれた先輩でした。彼女と付き合い始めた頃、残業続きの俺にこう言った人でもあります。
「待ってる人がいるなら、22時には会社を出ろ。あとは任せろ」
それ以来、俺は22時に会社を出るようになりました。同じ電車に乗り、同じ道を歩けば、家に着くのは22時40分。彼女に送る「帰ったよ」の時刻は、先輩が作ってくれたものでした。
書いては消した夜
その日、俺は会社を出たあと、家ではなく駅前のファミレスに入りました。家に帰ると寝てしまいそうで、書き上げるまで席を立たないと決めていました。
先輩への感謝は山ほどあるのに、文章にするとどれも薄く見えます。何より、最後の段落が書けませんでした。
22時の約束のおかげで、今の彼女と続いていること。それを書けば、大勢の前で彼女の話をすることになります。
途中で、彼女から「今日遅い?」と届いたのが通知で見えました。開けば、返事を打つうちに全部話してしまいそうです。帰ってからきちんと返そうと、画面を伏せました。
原稿が形になったのは、終電の一本前でした。家に着いてすぐ「帰ったよ」、続けて「遅くなってごめん」と送りました。
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「会って話したい」と送った理由


























