
付き合って2年の恋人を自分のもの扱いした俺が、電話に出た女性の同僚から聞かされた事情
コラム
電話に出たのは、彼女ではなく同僚の女性でした。慌てて切ろうとした俺に、同僚は思いがけない話を始めます。その12分で、俺は自分の言葉の意味を考え直すことになりました。
企画のメンバーに選ばれたと、彼女が弾んだ声で話していました。チームの顔ぶれを聞くうちに、男性の名前がいくつも出てきます。ソファに座ったまま、俺は口を開いていました。
口にした「俺のもの」
「その企画、男もいるんだろ」
「いるけど、仕事だよ」
彼女はそう返しましたが、俺の口は止まりませんでした。
「お前は俺のもの」
「忘れるなよ」
言ったあとで彼女の顔がこわばったのに、気づかないふりをしました。その企画が彼女にとってどれほど大事なものなのか、聞こうともしていなかったのです。
付き合って2年、彼女がどこかへ行ってしまう気がして怖かったのです。その日は、ほとんど話さないまま彼女の部屋を出ました。
同僚が話してくれたこと
次の日、謝ろうと彼女に電話をかけました。何度かけてもつながらず、ようやく出たのは知らない女性の声です。
彼女と同じチームの同僚で、スマホがデスクに置き忘れられていたのだそうです。慌てて切ろうとした俺に、同僚は笑いながら話し始めました。
彼女が休憩のたびに、俺の話ばかりしていること。企画に選ばれたのは、彼女が誰よりも粘って案を出し続けたからだということ。
「あの子がいないと、うちのチーム回らないんですよ」
気づけば、12分も話しこんでいました。俺の知らない場所で、彼女は彼女の居場所を自分の力でつくっていたのです。
同僚は最後に、今の話は内緒にしておくと言ってくれました。
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