既読のまま翌日の18時過ぎに返していた僕→彼女の一言から10か月、電車の中で考えていたこと

コラム

初めて2人で食事をした日、彼女が何気なく口にした言葉がありました。僕はその言葉のとおりに、10か月間、返事を書き続けていたのです。

電車の車内で、僕は吊り革につかまりながらメモを開いていました。付き合って10か月の彼女から前の日に届いたメッセージを、もう何度も読み返しています。返事の書き出しは、まだ決まっていませんでした。

初めての食事で聞いた言葉

付き合う前、初めて2人で食事をした日のことです。メッセージの話になったとき、彼女はこう言いました。「すぐ返ってくる言葉より、ちゃんと考えてくれた言葉のほうがうれしいな」。
もともと、とっさに気の利いたことが言えない性分です。その言葉を聞いて、僕は自分なりの決まりを作りました。
届いたメッセージは、その場で読む。次の日、行きの電車で書き始め、昼休みに読み直し、帰りの電車で仕上げる。改札を出たところで送ると、だいたい18時過ぎになりました。「明日空いてる?」への返事も、同じように1日かけていました。

「私と話すの、面倒になった?」

彼女が「今日ね、仕事でちょっと落ち込むことがあって」と送ってきたときも、1日かけるつもりでした。
その数日後に届いたのが、「私と話すの、面倒になった?」でした。
すぐに既読になるのに、返事は次の日。待たされる側にそれがどう見えるかを、僕は一度も考えていませんでした。急いで返せば、彼女の言う「考えていない言葉」になってしまう。迷っているうちに、その日は何も送れませんでした。

次のページへ

まる1日かけた返事
  • X
  • Line