
彼女の実家の座敷で、「田舎の女は無理」と送った俺がお父さんに伝えたこと
コラム
駅のホームで、彼女から届いた2通のメッセージを読み返していました。お父さんから地元へ帰ってこないかと言われた、という話です。その下に続いた問いかけへの返事を、なかなか打てずにいました。
前にも聞いた「地元に戻る」
彼女の言葉で思い出したのは、3年前に別れた前の恋人のことでした。その人は地方の出身で、家の事情で地元に帰ると言い、最後に届いたのは「向こうで生きていくって決めた」というメッセージ。それきり連絡は途絶えました。彼女の2通目には、こう書かれていました。
「もし私が地元に戻ったら、一緒に来てくれる?」
一緒に行く、と打てば済む話です。けれど、知らない町でまた1人取り残される場面ばかりが浮かんで、その一言が打てませんでした。
置いていかれる前に、自分から突き放してしまえばいい。そんな考えのまま送ったのが、あの言葉です。
「田舎の女は無理」
「そっか。わかった」
少しして届いた短い返信を見て、取り返しのつかないことをしたと分かりました。
謝る言葉が、どれも言い訳に見えた
「ごめん」とだけ打っては消し、理由を書き足そうとすると、前の恋人のせいにしているようにしか読めません。彼女と前の恋人は別の人なのに、ひとまとめにしたのは俺のほうでした。
3日目、部屋の引き出しを開けたときに目に入ったのが1枚の送り状です。去年の秋、彼女のお母さんが「いつも娘がお世話になって」と俺にも野菜を送ってくれたときのもの。その野菜は甘くて、スーパーのものとは味が違いました。
あの野菜を育てた人たちの町を、俺は一言で片づけてしまった。一緒に行けるかどうかも、その町を見ないまま答えるのは違う気がしたのです。
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畳に手をついた座敷で





























