彼女の「おやすみ」を既読のまま朝まで返せなかった俺→改札で別れた夜、ベランダで書いたノートの数行

コラム

ベランダで書いた数行

部屋の中にいると、どうしても考えがまとまりませんでした。ノートを抱えてベランダに出ると、外の空気が少し頭を冷やしてくれました。
書いては線で消し、また書く。新しいページは消した跡だらけになり、残ったのはほんの数行です。
うまく言えないから書く
2年分の好きは、このノートにある
怒った顔も好きだと思った
明日も君におやすみを言いたい
書き終えて顔を上げると、空はすっかり明るくなっていました。俺はそのページを写真に撮り、そのまま彼女に送りました。

そして...

送ってから、彼女をひと晩待たせていたことの重さに、ようやく思い至りました。彼女がどんな気持ちで待っていたのか、そのときになってやっと想像したのです。
しばらくして、彼女から短いメッセージが届きました。
「ずるい。眠れなかったんだからね」
少しして、もう一通届きました。
「おやすみって、今言われても困るんだけど」
画面を見て、俺は笑ってしまいました。あの夜に返せなかった「おやすみ」は、ひと晩かけて、彼女に届けたノートの最後の一行になっていたのです。

(20代男性・会社員)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

  • X
  • Line