「俺じゃだめなの?」と居酒屋で聞いてきた大学の友人に、私が笑って二軍と答えた事情

コラム

グラスを置いて

いつもの居酒屋で、彼の席にはハイボールを頼んでおきました。聞かなくても、彼が最初に頼むものは分かります。

「振られた」と笑ってから、私はグラスを置いて彼のほうに体を向けました。彼の口から出たのは、「で、二軍の出番ってわけか」でした。

そう思われて当然です。少し黙ってから、私は彼の目を見て言いました。

「理由、あなたにだけは聞いてほしい」

返ってきたのは「今日はやめとく」でした。彼はハイボールを半分残したまま、会計を済ませてしまいました。

そして...

駅までの道、何を言えばいいのか分からないまま、彼の後ろを歩くだけでした。改札を抜けた背中に、思わず「ねえ」と声をかけていました。

振り返った彼に改札越しに伝えたのは、先輩の言葉そのままでした。

「私、先輩と話してても、あなたの話ばっかりしてたんだって」

彼はしばらく口を開かず、それから「それ、今言う?」とだけ言いました。

返事はまだもらえていません。あの日二軍に入れていたのは彼ではなく、彼を一軍に呼ぶ勇気のなかった私のほうでした。

(20代女性・会社員)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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