
「妻の趣味は理解できないんで」と私の先生に笑った夫→2週間後、教室のない日の工房で見た夫の背中
コラム
ガラス越しに見えた深いお辞儀
夫は、先生に向かって深く頭を下げていました。腰から折れるようなお辞儀で、なかなか顔を上げません。
先生は包みを受け取ると、夫の肩に軽く手を添えました。2人はそのまま作業台に並んで座り、何かを広げ始めます。
私は戸を開けずに、そっとその場を離れました。理解できないと言った人が、なぜここにいるのか。分からないまま中に入る気にはなれなかったのです。
駅前のカフェで時間をつぶしてから戻ると、夫の姿はもうありませんでした。先生は皿を包みながら「ご主人のことは、ご主人から聞いてあげてね」とだけ言いました。
そして...
家に帰ると、夫はソファでテレビを見ていました。
「どこ行ってたの?」と聞くと、夫は「ちょっと用事」とだけ答えます。
リモコンを持つ夫の指先には、黒っぽい汚れが残っていました。洗っても落ちなかったような、細い線の汚れです。
私の趣味を理解できないと笑っていた夫は、あの工房で何を頼み、何を始めたのでしょうか。
(30代女性・事務職)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)




























