
財布を届けに行ったコスモス畑で、俺が丘の上から見た景色
カップル
言いそびれた感想
「何しに来たの?」
「財布、玄関に置きっぱなしだったから」
友だちの1人が声を弾ませる横で、財布を差し出しました。
「何になるのか、見に来たの?」
丘の上で見た景色が頭に浮かびました。けれど、彼女の友だちの前で、あれだけ笑っていた俺が「良かった」と言うのは気恥ずかしく、代わりに丘のことを聞きました。まだだと聞いて、「じゃあ、先に帰る」と背中を向けました。
帰りの車の中で、自分の言った言葉を何度か思い返しました。何になるのかと聞いたのは、行ったこともない場所のことでした。
そして...
家に帰ってきた彼女に「おかえり」と言うと、「財布、ありがとう」と言われました。少し迷ってから、口にしました。
「コスモス、思ったより良かったかも」
彼女がこちらの顔を見返してきたので、それ以上は何も足さずにいました。
スマホの中には、丘の上で撮った写真が1枚だけ。彼女には、まだ見せていません。
(20代男性・会社員)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)




























