彼女の爪に文句を言った俺が、スマホの写真1枚で負けを認めるまで

カップル

テレビの笑い声にまじって、彼女のハンドクリームのふたが閉まる音がしました。俺はなんとなく、向かいに座る彼女の手元に目を向けました。軽く言ったつもりの一言で、部屋の空気が変わるとは思っていませんでした。

常識のつもりで言った一言

付き合って2年になる彼女は、花屋で働いています。休みが合うと、彼女の部屋で録画した番組を見ながら過ごすのがいつもの流れでした。その日目に入った彼女の爪は短く、横が緑っぽく染まっていました。会社の女性たちの指先はいつもつやつやしているのに、と思ったのを覚えています。

「爪くらい整えろ」深く考えずに言い、そのまま付け足しました。「女だろうが」女なら手元に気をつかうもの。俺にとっては、それくらいの常識のつもりでした。前にも「女なんだから料理くらい」と言ったことがあり、そのときの彼女は笑って流していたのです。

笑っていなかった彼女

「女だったら、いつも爪をきれいにしてなきゃいけないの?」

聞き返してきた彼女は、笑っていませんでした。面倒な話になりそうで、テレビに目を戻して肩をすくめました。

寝ぐせのついたままの髪も、あごの剃り残しも、その日の俺は気にも留めていませんでした。彼女が俺の身なりに何か言ったことは一度もなく、それに甘えていたのだと思います。

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スマホに写った答え
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