彼女の爪に文句を言った俺が、スマホの写真1枚で負けを認めるまで

カップル

スマホに写った答え

「手、出して」訳も分からず差し出すと、彼女は俺の手を取り、自分の手の隣に並べてテーブルに置きました。スマホで真上から撮った画面が、目の前に向けられます。写っていたのは、短く切りそろえられた彼女の爪と、長さのばらばらな俺の爪。中指の先は欠け、親指のささくれまでくっきり写っていました。彼女の指の小さな傷と緑の染みは、仕事でついたものだと分かります。俺の爪の汚れには、言い訳のしようがありません。

「どっちが汚い?」画面と自分の指先を何度か見比べました。常識のつもりで言った言葉が、そのまま自分に返ってきた気分です。「……俺です」

そして...

しばらく座っていましたが、居心地の悪さに負けて立ち上がりました。「爪切り、どこ?」彼女が棚の引き出しから出してくれた爪切りで、ぱちん、ぱちんと切っていきます。切り終えてから、テーブルの上の彼女のスマホを指さしました。

「その写真、消してくれない?」「消さない」間を置かない返事でした。次の休みに行く床屋の予約も入れました。彼女のスマホには、あの写真が今も残っているはずです。

(20代男性・会社員)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

  • X
  • Line