おしゃれと恋で もっとかわいく - ハウコレ
SP用検索ボタン
メニューはこちら

検索


トレンド ワード

    「ベビーカーが邪魔なんですけど」と私を睨んだ女性。半年後、同じ席で目が合った日のこと

    ライフスタイル

    言えなかった夜

    家に帰って夫に話しました。「そんなに邪魔だったかな」と聞いた私に、夫は「気にしなくていいよ」と言ってくれました。それでもベビーカーを押して街を歩くたび、誰かが眉をひそめていないか、無意識に視線を探すようになっていたのです。

    あのカフェには、しばらく行けませんでした。店が悪いわけではないのに、扉の前まで来ては引き返すことを何度か繰り返しました。ベビーカーの中で、息子は何も知らずにすやすや眠っていました。

    そして...

    半年が経ちました。息子はもうよちよち歩きができるようになり、私もずいぶんと力を抜けるようになっていたのです。ある平日の午後、ふと思い立って、あのカフェに足を運びました。窓際の席でコーヒーを飲んでいると、視線を感じて顔を上げました。

    斜め向こうの席に、あの女性がいました。一人で、目の前のカップに視線を落としていた人が、私のほうを見ていたのです。目が合った瞬間、彼女がほんの少しだけ、頭を下げるような仕草をしました。気のせいかもしれません。私はとっさに微笑むことも、目をそらすこともできませんでした。彼女は会計を済ませると、そのまま店を出ていったのです。

    あれは謝罪だったのか、ただの偶然だったのか、今でもわかりません。けれど彼女のあの仕草を見たとき、半年間ずっと心のどこかにつかえていた何かが、ほんの少しだけ軽くなった気がしました。

    (20代女性・看護師)

    本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

    (ハウコレ編集部)

    • X
    • Line