
事務的だった大家さんから届いた「近いうちに、少しお時間をいただけないでしょうか。」に身構えた私
ライフスタイル
玄関先で下げられた頭
数日後、指定されたのは母屋の玄関先でした。上がり口には、包装された紙袋が1つ置かれていました。大家さんは私の顔を見ると、先に頭を下げました。「変な送り方をしてしまって、ごめんなさいね。」そして、「ゴミ置き場、いつも直してくれていたでしょう。お礼が言いたかったの。」と続けました。カラスに荒らされた袋を私が替えて積み直していたのを、母屋の窓から見ていたこと。あの一斉送信で嫌な思いをさせたのではと、ずっと気になっていたこと。差し出された紙袋には、菓子折りが入っていました。私は「気づいてもらえて、うれしいです。」と返しました。身構えていた自分の想像より、目の前の用件のほうが、ずっと小さくて温かいものでした。
そして...
大家さんの返信は、今も「承知しました。」のままです。それでもゴミ置き場で顔を合わせると、互いに袋を持つ手を止めて、少しだけ話すようになりました。あの長い文面の向こう側を、一度知ってしまったからです。
(20代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)




























