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自動車整備士になった私。工場に配属初日から『女には無理』と言われ、客にも不安がられた

コラム

指名予約が増え始めた半年

それから私は、自分にできることだけを続けました。点検のたびに作業の根拠を書類で示すこと、写真を撮って劣化箇所をわかりやすく伝えること、見積もりの理由を口頭でもきちんと説明すること。地味な積み重ねでした。

3カ月が経ったころ、私を指名する予約がはじめて入りました。年配の女性客でした。「前回あなたが説明してくれたおかげで、自分の車のことが初めてわかった」と言ってくれました。それから少しずつ、口コミで指名予約が増えていきました。

そして配属から半年が経った秋。あの白いセダンの男性が、再び来店されました。受付からの伝言は「指名予約」私の名前で予約が入っていたのです。整備を終えて引き渡しのとき、その方は深く頭を下げて、こう言いました。

「誰よりも仕上がりが丁寧。ずっとあなたにお願いしたい」

そして...

翌日の朝礼で、工場長が落ち着いた声で、全員に向かって言いました。

「技術に性別は関係ない」

ベテラン整備士の方々が、何人も小さくうなずいていました。あの配属初日に「女には無理だろ」と言った先輩は、私と目が合うと小さく会釈をしてくれました。

私は配属初日の朝、自分の道具を前に深呼吸した自分を思い出していました。あのときはまだ何も証明できていなかった。半年後の今も、まだ証明し切れたとは思いません。けれど、続けてきた一日一日が、ちゃんと積み重なっていたのです。私はこれからも、自分の手と頭で、目の前の車と向き合っていきます。

(20代女性・整備士)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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