
「お前の服、ダサいから捨てたわ」と彼がテレビを見たまま言った日、私は空の収集所に立っていました
コラム
紙袋の中身
3日後、彼が冷蔵庫の横の紙袋を差し出しました。
「これ、お前に」
中には、駅前の高い店のタグがついたままのワンピースが2着入っていました。私が一度も足を止めたことのない店です。
「私が着たいのは、これじゃない」
「ごめん。俺が悪かった」
どうしてあんな言い方をしたのか。私が聞いても、彼は玄関の方を向いたまま紙袋の持ち手を握り直すだけで、それには答えませんでした。
「捨てる前に、なんで聞いてくれなかったの」
そう言うと、彼は小さくうなずきました。
そして...
母に事情を話すと、若いころにあのデニムを着た写真が送られてきました。今はそれを、クローゼットの扉の内側に貼っています。紙袋の2着は、タグをつけたまま端にかけてあります。
彼はあれから、取り込んだ私の服を勝手にしまわず、寝室の椅子に置いておくようになりました。先週、その写真を見ていた私に、彼は初めて「そのデニム、どんな服だった?」と聞きました。
私が話し終わるまで、彼は口を挟みませんでした。新しい2着には、まだ袖を通せずにいます。
(20代女性・事務職)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)





























