
彼女の服を勝手に処分した俺が、「ダサいから」としか言えなかった本当の理由
コラム
聞かなかった理由
収集は前日に終わっていました。清掃センターに電話をかけましたが、回収後の袋を探すことはできないと言われました。自分で縫ったのだと聞いて、俺は彼女が服の学校に通っていたころの話を、ほとんど聞いたことがないと気づきました。3日後、俺は紙袋を差し出しました。
「これ、お前に」
「私が着たいのは、これじゃない」
「ごめん。俺が悪かった」
どうしてあんな言い方をしたのかと聞かれて、俺は玄関の方を向いたまま、紙袋の持ち手を握り直しました。理由を言えば、恥ずかしいと思っていたことまで伝わります。それを知った彼女に離れられるのが怖くて、俺は理由を飲み込みました。
「捨てる前に、なんで聞いてくれなかったの」
小さくうなずくのが精一杯でした。聞けば、捨てないでと言われる気がしていたのです。だから聞きませんでした。そこまで考えて、彼女のためだったという言い訳が通らないことに、俺はやっと気づきました。
そして...
二次会で聞いた言葉のことを、俺はまだ彼女に話せていません。取り込んだ彼女の服は、勝手にしまわずに寝室の椅子に置いています。
先週、彼女がクローゼットの扉の内側に貼った写真を見ていた時、俺は初めて「そのデニム、どんな服だった?」と聞きました。彼女が話し終わるまで、俺は口を挟みませんでした。
(20代男性・営業職)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)





























