「別れても友達でいよう」と言った彼。毎年のキャンプ場で、空いた椅子を見ながら仲間が口にした一言

コラム

「話しておきたいことがあるの」。別れて2か月、親友から届いたメッセージの先にあったのは、素直には祝えない報告でした。別れ際に交わした約束を、何度も思い返すことになりました。

焚き火の向こうで、仲間の1人が紙皿を配りながら、1脚だけ空いている椅子に目をやりました。彼の大学時代の仲間と囲むキャンプは、別れてから初めてです。その椅子は、急な仕事で来られなくなったと聞いていた彼の分でした。

別れ際に交わした約束

彼とは2年付き合いました。別れを切り出したのは彼で、場所は駅前のファミレスでした。

「ごめん。もう、前みたいには好きでいられない」

少し間を置いて、彼は続けました。

「別れても友達でいよう」

「うん、そうだね」

寂しさはあっても、毎年のキャンプで顔を合わせる仲間とも、これまでどおり会えるならそれでいい。この約束は守るつもりでした。

親友から届いた報告

2か月ほどたった頃、高校からの親友からメッセージが届きました。

「話しておきたいことがあるの」

カフェで向かい合った親友は、カップを両手で包んだまま言いました。

「彼と、付き合うことになった」

親友と彼は私を通して知り合い、3人で食事をしたこともあります。誰と恋愛するのも自由だと、頭では分かっていました。それでも、別れてまだ2か月です。いつから、どちらから。聞きたいことはいくつもあったのに、私は「そっか」と返すのがやっとでした。

答えの出ないまま、ひと月ほどたった頃。彼の大学の仲間の1人から誘いが届きました。

「今年もキャンプ来ない?」

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