妻に頭を下げさせるはずだった俺が、母からの電話で知ったこと

コラム

前の日に届いた妻の連絡を、俺はまだ母に伝えられずにいました。食卓に4人分の取り皿が並んだところで、ようやく口を開きました。

「行きたい」だけを拾った俺

結婚して2年目の妻に「21日、うちの親とご飯行かない?」と送ると、「シフト次第だけど、行けたら行きたい」と返ってきました。目に入ったのは、最後の「行きたい」だけ。その日のうちに母へ「21日、2人で行くから」と電話し、母は妻に会えると張り切っていました。妻から急な出勤の連絡が届いたときも、「わかった」とだけ返しました。確かめもせずに日付を決めたのは俺です。張り切っていた母の声を思い出すと電話をかける気になれず、家でもその話を避けたまま、1人で実家へ向かいました。

気まずさの行き場を妻に向けて

「急に来られなくなったって」と伝えると、母は「前の日にでも言ってくれたらよかったのに」と言い、少し悲しげな表情をしました。連絡を受けていたのは俺なのに、訂正しないまま、妻の分の取り皿を片づけました。

その日は実家に泊まり、布団の上で気まずさの行き場を妻に向けました。「母さん、ずっとお前の事待ってたんだぞ」「俺の親に頭を下げろ」。返ってきたのは「前の日に連絡したよね?行けたら行くって返してたはずだけど」。チャットをさかのぼると、「シフト次第だけど」の一言が最初から書かれていました。謝る文面を打っては消し、何も送らないまま眠りました。

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