友人に黙って、彼女の彼氏を呼び出した私。窓際の席で伝えたかったこと

コラム

一度引き下がった忠告を、私は友人ではなく、その彼氏に伝えに行くことにしました。友人に知らせず会うと決めたのには、彼女にもまだ話していない理由がありました。

洗い物をしていると、テーブルに置いたスマホから通知音が鳴りました。画面に出ていたのは、友人からのメッセージです。「今日、駅前にいたよね」。あの窓際の席が外からよく見えることを、すっかり忘れていました。

OB会で見覚えのあった笑い方

友人の彼とは、大学のサークルで一緒だった仲です。友人が仕事で来られなかったOB会で、後輩は会の間ずっと彼の隣に座っていました。「今度2人で飲みに行きましょう」と誘う声に、彼は「そのうちね」と笑って返すだけ。

その笑い方に、見覚えがありました。以前付き合っていた人も、職場の同僚からの誘いをそうやって受け流すうちに、少しずつ帰りが遅くなっていったのです。当時の私は、口にすれば関係が終わる気がして、最後まで問いただせませんでした。

迷った末、カフェで友人に切り出しました。

「あの子、あなたの彼氏狙ってるよ」

「彼のこと、疑いたくないんだよね」

友人の返事を聞いて、もう一度言う気にはなれませんでした。疑いたくない気持ちは、あの頃の私にもよく分かったからです。「そっか」と返して、話を変えました。

駅前の店に彼を呼んだ理由

それでも、OB会での彼の笑い方は頭から離れませんでした。これ以上友人に言えば、2人の間に水を差すことになる。かといって、何もしないまま見ているのも嫌でした。

カフェで話してから数日後、彼に直接メッセージを送り、駅前のコーヒーショップで会う約束をしました。友人に話さなかったのは、同じ忠告を2度して、うるさい友達だと思われるのが怖かったからです。

窓際の席で事情を話すと、彼は少し考えてから、スマホをこちらへ向けました。後輩からの誘いに、「また今度ね」という返信が何度も並んでいました。

「その返事だと、あの子は待つよ」

彼はしばらく画面を見ていましたが、やがてその場で返信を打ちました。送られた文面は「2人では行けない。彼女がいるから」。

「私から聞いたって、ちゃんと彼女に話して」

そう頼んで、先に店を出ました。

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