
「写真得意なんだから撮ってよ」旅行中ずっと撮影係にされる私…ある場所でいつもと逆のお願いをしてみると
コラム
白い枠のある撮影スポットで、設定を済ませたカメラを差し出した私。シャッターを押してもらうだけのお願いに、友人が見せたのは両手を背中に回す姿でした。
カメラの液晶に映るのは、海を背景にした友人ばかりでした。大学時代から付き合いの続く友人と出かけた、2泊3日の旅行。趣味のカメラを首から下げていたせいか、港町に着いてすぐ、私の役割が決まってしまいました。
行く先々で始まる撮影会
「写真得意なんだから撮ってよ」
駅を出て最初の坂道で、友人はそう言って私のカメラを指さしました。頼られるのは悪い気がせず、私はシャッターを切っていきます。
けれど、撮影は行く先々で長くなっていきました。カフェでは席を待つ人がいるのに、料理の角度を変えて20枚以上撮影。神社では「ここに乗ったら映える」と言って境内の柵をまたごうとしたため、慌てて腕をつかんで止めました。
写真を確認するたびに「顔が丸く写ってるから、もう1回」。後ろで待つ人の視線を背中に感じながら、私はカメラを構え続けました。
自分のいないカメラロール
旅館に着いてその日の写真を見返すと、300枚近くあるのにどれにも私は写っていません。
途中で一度、「私のことも撮ってよ」と軽く言ってみたものの、友人は「あとでね」と笑い、すぐに次の撮影場所を探し始めました。
翌日は、白い枠の中で写真が撮れる岬の展望台に行く予定でした。「ここだけは撮ってもらおう」と心に決め、カメラの設定を確かめてから布団に入りました。
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「シャッターだけ押して」




























