捨てる手間を省いて恩まで売るつもりだった私に、ママ友が返してきた紙袋

コラム

園の玄関で告げられた理由を、そのときは素直に受け取れずにいました。考えが変わったのは、返ってきた紙袋を自分の手で開けたときです。

押し入れの戸を開けると、詰め込んだ衣装ケースのふたが半分浮いていました。息子が着なくなった服は、季節が変わるたびに増えていきます。分別して捨てるより、ずっと手っ取り早い行き先がありました。

片づけのついでの紙袋

ママ友とは、息子同士が同じ保育園に通う間柄です。彼女の息子さんは、うちの子の1つ下。

「お下がりせっかくならあげるわよ」

最初に声をかけたとき、彼女は「うちは足りてるから大丈夫です」と答えました。遠慮しているだけだろうと受け流し、そのまま紙袋を渡しました。

中身を1枚ずつ確かめたことはありません。押し入れから出して袋に詰めれば、ゴミの日を気にする必要もなくなります。

「お下がりで十分よね」

渡すたびにそう言うと、こちらが面倒を見てあげている気分になれました。

貸しのつもりだった

仕事が長引きそうな日、彼女に息子のお迎えを頼んだことがあります。

「いつもお下がりあげてるんだし、いいでしょ」

彼女は引き受けてくれました。服を渡しておけば、こういうときに頼みやすい。その計算が自分の中にあったのは確かです。押し入れは空き、頼みごとはしやすくなる。都合のいい関係だと思っていました。

ほかのママたちの前で、うちのお下がりを着てくれているのよ、と話したこともあります。そう言うたびに、少し得意な気持ちになっていました。

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